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はじめのうちは、週 2、3 回のペースで通われるのをお勧めします。その後は症状の改善に合わせ治療頻度を減らしていきます。
全身に照射する場合、前面・後面あわせて 3 〜 30 分です。初回は一面あたり 1 分 30 秒から始め、20 ~ 30 秒ずつ時間を伸ばしていきます。
照射部位に一致して赤みが出る場合がありますが、2、3 日で消退します。強めに施行した場合、赤みが長く続いたり、水ぶくれ(軽いヤケド)ができることもあります。回数を重ねると、照射部位に一致して色素沈着(日焼け)が起こります。色素沈着は照射を中断すれば、徐々に元に戻ります。
アトピー性皮膚炎・乾癬の場合は、3 〜 4 回で効果が見られることが多いです。白斑の場合は、効果がでる方は 10 回以内で色素再生が見られます。残念ながら、効果の見られない方もおられます。
一定期間は効果が持続しますが、症状が再燃してくることも多いです。
現在のところは予約制ではありません。来院していただければ当日から施行可能です。
尋常性乾癬は皮膚の表面にあるケラチノサイト(細胞名)が異常に分化増殖しているために生じる病態です。
皮疹は皮膚のいかなるところにも生じますが、頭髪部位、肘部および膝部の伸側が好発部位です。ここの皮疹は厚い銀白色の皮膚覆われ、その下には発赤があります。かゆみを伴うことは少なく、典型的な皮疹が体に対称的に存在するため、診断は容易ですが、慢性的な病気であるため治療に苦慮することが多くなります。
治療には通常ステロイド軟膏の外用をおこないます。表面の銀白色の皮膚が取れ始め、徐々に発赤が消退してきますが、外用をやめると再発してくる傾向にあります。ステロイド外用の場合薬は効果が効きはじめるのも早いですが、塗らなくなった後の再燃も早いため、活性型ビタミン D3 製剤の外用を併用することも多いです。
活性型ビタミン D3 製剤はステロイドと異なる薬剤のため、ステロイド軟膏に伴う副作用がなく、顔面など長期にステロイド軟膏が使いにくい場所でも使用することができます。また顔面以外の場所でもステロイド軟膏と併用することにより再燃しにくい長期の治療が可能になります。
外用以外には光線療法があります。
アトピー性皮膚炎は「表皮、なかでも角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理学的異常を伴い、多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる、慢性に経過する炎症と掻痒をその病態とする湿疹・皮膚炎群の一疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。
上記 1、2 および 3 の項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断します。
治療は、
があります。その他現在では光線療法も保険適応になっております。
光皮膚に紫外線を照射すると、なぜ皮膚疾患に効果があるかについては、まだ解明されていない点もありますが、主として皮膚における免疫反応が抑制されるためと考えられています。皮膚に紫外線を照射すると、全身の免疫反応に関わるリンパ球である T 細胞の一種である制御性 T 細胞が血液中に多くなることが知られています。この細胞が多く誘導されると、免疫反応を起こす様々な抗原に対する反応が抑えられるため、特に皮膚で強い免疫反応が起きているアトピー性皮膚炎の病変部での炎症が軽快すると考えられています。
皮膚の色素を構成するメラニンを生成するメラノサイトが、遺伝、自己免疫疾患、環境等の因子の組み合わせにより消失、あるいは機能停止状態を引き起こしたもので、慢性的な皮膚疾患である。
治療としては外用薬治療(ステロイド剤、免疫抑制剤、ビタミン D 製剤等)、内服治療(ステロイド剤、漢方薬等)、光線療法(PUVA 療法、NB-UVB 療法)、外科的治療等があります。