このページは、おとのクリニックの「禁煙外来」のページです。
当クリニックでは、喫煙をなかなかやめられない方、禁煙が長続きしない方に最適な治療を行っています。
タバコの起源は紀元前 10 世紀の頃・地域はマヤ文明とされ、古くからアメリカ先住民の間に喫煙の習慣が広まっていた。大航海時代の到来と共にヨーロッパに伝播し、様々な薬効があると信じられたことにより、15 世紀から 16 世紀にかけて、急速に世界へ広まっていきました。
第一次世界大戦の間、タバコ製品は典型的な軍事補給物資の一つでした。以降、紙巻きタバコを用いた喫煙は、魅力的で気楽な生活様式の一部としてタバコ会社により宣伝され、女性の喫煙も社会の中に浸透し始めました・・・ しかし、1900 年、生命統計学者らが肺癌の増加を指摘し、喫煙と疾患の関連を示唆し、その後さまざまな研究が行われ、タバコやタバコ煙の成分が分析され始め、やがて臨床的・病理学的・疫学的に、タバコの人体への影響の研究が進み、1930 年には肺や循環器疾患の発症率や死亡率の大きな要因と指摘されました。
アメリカはかって肺癌の死亡率が最も多い国の一つでしたが禁煙を国家的プロジェクトとして推進する事により、1990 年代より、肺癌死亡率が減少するようになりました。ところが日本では、逆に肺癌死亡率が胃癌死亡率を超えるようになってきました。この事実を重くみた日本政府は、ようやく2006 年より、禁煙治療を保険適応として認め、これにより禁煙治療が、それまでの約 3 分の 1 の負担( 3 割負担の場合)で、受けられるようになりました。
最近は、公共の施設、飲食店、交通機関などで禁煙が推進されており、喫煙可能な場所を探すことが困難になりつつあり、またタバコの値上がりも進んでいます。喫煙による健康被害を理解し、禁煙にチャレンジされてはいかがでしょうか?
タバコを吸うと、血液中のニコチン濃度が高まります。
それが脳内の神経細胞に結合することで、満足感・幸福感を引き起こすドーパミンという脳内ホルモンが大量に放出されます。このため、タバコを吸うと、大きな満足感や幸福感を味わうことができるのです。これがニコチン依存状態です。
禁煙を難しくさせているのは、ニコチン依存症という身体的依存と、喫煙が生活の一部となって吸ってしまうという心理的依存の両方を、一度に克服していかねばならないからです。ですから、自分の意思だけで禁煙を達成するのは難しいのです。
ニコチン依存症の克服にはある薬を使います。一つはニコチンを含んだパッチ「ニコチネル TTS」を、腕やお腹・背中などに貼ることです。禁煙よる離脱症状を緩和しながら禁煙することができます。もう一つは飲み薬「チャンピックス」です。この薬は脳にあるニコチン受容体に結合することで少量のドパミンを放出させ、ニコチン離脱症状を軽くします。また、禁煙中に一服した時でもおいしいと感じにくくする為、すぐに禁煙に戻る事ができます。
一方、口さみしいから吸ってしまう等の心理的依存は、どうしたらいいでしょうか。これは禁煙外来で定期的に医師(つまり わ ・ た ・ く ・ し)と面談し、つい吸いたくなった時などくじけそうになる気持ちを励まさせていただきます。そしてゴール(禁煙)をめざして、サポートしながら一緒に歩んでいいきます。
保険診療で禁煙外来をお受けになる方は、計 5 回通院していただき、12 週後に終了となります。
初回 |
診察の前に問診表をお渡しします。これでニコチン依存症、喫煙状況、禁煙の関心度をチェックします。また、簡単な呼吸器検査を行います。 次に診察室で説明をいたします。ここで本人の意志を確認したうえで、禁煙開始日を決定します。 また、「禁煙誓約書」へサインしていただきます。誓約書といっても、守らないと罰則を与えるといったものではありません。あくまでも禁煙の意欲を高めるために行うものです。 最後に次回診察日の決定を行い、禁煙治療補助薬の処方を受けます。 |
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2 回目 |
初回から 2 週目に再診します。禁煙状況・ニコチンの離脱症状について問診します。また、初回に行った検査を行います。禁煙していれば測定値の改善がみられるはずです。 |
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3 回目、4 回目 |
初回から 4 週目・8 週目に再診を行います。同じ様に検査を行います。この頃になると体調が良くなる方が殆どなので、禁煙者の感じている効果を確認します。 |
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5 回目 |
12 週目、治療の最終回です。この 12 週を振り返ってもらい、苦労したことや禁煙の喜びについて語ってもらいます。
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